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含有とは?

[ 86] 製品含有化学物質規制 −規制への対応を競争力強化につなげる−
[引用サイト]  http://www.mizuho-ir.co.jp/kikou/env_b0807.html

自動車や電気電子製品などの成形品に含まれる化学物質(製品含有化学物質)が、モノづくりにおける重要な課題となっている。EUの自動車を対象とするELV指令や電気電子製品を対象とするRoHS指令に端を発し、特定化学物質に対する含有規制や含有情報開示の義務付け等の導入が世界的に広がっている。そのため含有化学物質規制への対応は川上から川下までの多種多様な業種の事業者を巻き込むサプライチェーン全体の課題となっているが、その対応の現状は力づくともいえるところがあり必ずしも効率よく確実な方法とはいえない。
さらにEUで新たに施行された化学品規則REACHでは、成形品に含有される化学物質も対象とされ、高懸念物質を含有する成形品に関する届出や情報伝達の規則が導入されている。成形品に含有される段階までを含めて化学物質のライフサイクル全体を管理するという考え方は、2020年までに化学物質の製造と使用による人の健康と環境への悪影響の最小化を目指すSAICM(国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ)に沿ったものであり、REACH規則は化学物質に関する世界共通の課題への取組みを先行して具体化したものといえる。
製品含有化学物質に関わる直接的なビジネスとしては、含有規制対応のための法規制情報提供サービスやコンサルティングのほか、含有化学物質の分析、含有化学物質情報を整備するための情報システムなどがあげられる。成形品に微量に含まれる化学物質の分析には、分析機器と専門のスキルを要するため、規制対応の中で分析関連のビジネスが必要とされており、今後もニーズは継続するであろう。また、多数の部品等に含有される複数の化学物質の情報を扱うツールとして情報システムは有効であり、事業形態や業種に応じた様々な情報システムの開発・導入が進められている。より多くの化学物質の管理が求められるREACH規則への対応でも、これらのビジネスが強化されることになるだろう。
それでは、最新の情報技術を使って構築された情報システムによって整備、提供される含有化学物質情報のデータの信頼性はどのようにして評価すればいいのか。大量に生産される製品ある一点の分析結果をその製品全体の含有化学物質の担保に結び付けるにはどうすればよいのか。その方法として「製品含有化学物質管理」の考え方が提案され、多くの企業において社内体制の構築などが進められている。
製品含有化学物質管理とは、製品に含まれる(材料や部品等に使われている)化学物質を、人の健康や生態系への影響、あるいはリサイクル・廃棄物処理等の観点から管理するものである。実際には、製造に用いる原材料や部品等に含有される化学物質を「購入段階」で確認し、「製造段階」における誤使用・混入・汚染等の防止を徹底すると同時に反応等によって新たに製品に含有される化学物質を把握し、「販売段階」では製品の含有化学物質情報を適切に開示・伝達するなどの取組みが必要となる。詳細については、「製品含有化学物質管理ガイドライン」を参照されたい。
この製品含有化学物質管理の実践による個別企業における効果は、直接的には含有化学物質規制へのコンプライアンス強化であるが、製品含有化学物質管理に取組む中で、事業者自らが管理上のリスクを評価し、製品や業態に応じた対応を進めることで、サプライチェーンを通じて分業化されたモノづくりに主体的に関わる自律的な存在と成り得ることも重要な効果といえる。
また、製品に含有される化学物質は売り手でなければ容易に知ることはできず、いわゆる情報の非対称性が顕著であるが、REACHによってサプライチェーンに義務付けられる情報伝達の義務(31〜33条)も、EU域外には適用されない。そのため、長く複雑なサプライチェーンにおける取引において、含有化学物質情報の授受に支障が生じることが懸念されるが、それでは供給者、調達者双方とも余計な負荷を負うことになり、日本の製造業の強みとされるすり合わせ力も発揮されない。この問題を解決するためには、川上から川下までの事業者間の協調が不可欠であるが、前述の製品含有化学物質管理ガイドラインには、その際の拠り所となり得る基本的な考え方が示されており、サプライチェーン全体での連携の強化を可能にするものである。
さらに、国際的な課題である製品含有化学物質への実践的な対応方法として、製品含有化学物質管理の方法を世界に示すことで、グローバルなモノづくりにおいても過剰な労力を費やすことなく効率よく規制に対応しながら、国際的な取組みにも貢献することも可能となる。
製品含有化学物質管理の導入によって、個別企業の組織力を高め、サプライチェーンを通じたすり合わせ力を再強化し、環境に配慮したモノづくりが期待できるのである。
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