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花崗岩とは?

[ 169] 花崗岩
[引用サイト]  http://www6.ocn.ne.jp/~owl/owl-koubou_013.htm

「おうる工房」では彫刻の素材として,岡崎産の花崗岩を使っている. 岡崎は石製品加工に適する花崗岩の産地であり,茨城県真壁町,香川県庵治町とならぶ三大石製品産地の一つとなっている.
花崗岩について,分類説明を記してみようと思う. 花崗岩は石燈篭・水鉢・墓石・建築石材として多く使われているが,それに目を止めて観察するということはあまりないので,馴染みの無い素材かもしれない.
「主成分鉱物として石英,カリ長石(正長石や微斜長石など), および雲母,角閃石,輝石などのどれか一種または二種以上を含み,これに少量の斜長石を含むか,または,ほとんど含まないもので,等粒組織をもつ完晶質の深成岩」のことである.
火成岩の主成分鉱物は,一般に珪長質鉱物と,鉄苦土質鉱物とに大別される.珪長質鉱物とは,主に石英,長石類であり,ほとんど無色か白色である.鉄苦土質鉱物は,黒雲母,角閃石,輝石,カンラン石などで,黒色や黒緑色,緑色など,特有の色を持っている.
火成岩中に含まれる有色苦土質鉱物の全量を,百分率であらわしたものを,色指数または色彩比と呼び,岩石研究に重要である. 一般に色指数が増せば,珪長質成分(特にSiO2)が減少し,色指数が小さくなれば逆にケイ酸が増加する傾向がある.
火成岩はケイ酸の含量によって分類され,66%以上を酸性岩,52 %以下を塩基性岩,その中間のものを中性岩としているが,これに従えば,花崗岩は,深成岩中の代表的酸性岩である.
主成分鉱物として,石英,正長石,微斜長石,白雲母と若干の斜長石を含む. ペグマタイト,その他 脈岩として産するが,分布はせまい.
主成分鉱物として,石英,正長石,微斜長石,黒雲母と若干の斜長石を含む. 粗粒で,長石の結晶は大きく,白色である. 花崗岩というとこの黒雲母花崗岩をさすほど分布が広く,広大な花崗岩地域を形成していることが多い.
岡崎には基盤岩として古いものから領家変成岩,塩基性岩,花崗岩が市の東半分の地域に,それを覆って第三紀層,第四紀層がおもに西半分の地域に分布している. 領家変成岩は秩父古生層が変成した岩石であり,塩基性岩は秩父古生層の堆積時の海底火山活動による輝緑岩などが変成してできた岩石と考えられている.
岡崎の花崗岩は,粗い伊奈川花崗岩と粒の細かい武節花崗岩があり,この武節花崗岩が岡崎石と呼ばれている.7300〜9000万年前の中生代白亜紀に貫入したものである.
常盤小学校の運動場の背景にすばらしい露岩が見られる. この岩石は臼石と呼ばれている,武節花崗岩の中粒白雲母黒雲母花崗岩である.石英,長石,黒雲母,白雲母からできている.
箱柳の東海石材石切り場に行くと, 青石と呼ばれる,細粒黒雲母花崗岩が見られる. 磨きあげられた面は,青味がかつてたいへん美しく,輝きがあせない石で高級墓石の材料となっている.
岡崎市北部には,伊奈川花崗岩と呼ばれている粒の粗い花崗閃緑岩が分布している. この石は石英,長石,黒雲母,角閃石の粗い結晶からでき,その結晶はやや方向性を持っている.

 

[ 170] 大文字山の「褐簾石」
[引用サイト]  http://web.kyoto-inet.or.jp/people/sugicom/kazuo/neta/tigaku3.html

  京都市街から見て東北には比叡山がそびえ,その右手には「大」の字の送り火で知られる大文字山が見えます。その間には複雑な地形の低い山地と谷筋が広がり,花崗岩が露出しています。地図の等高線を見ると複雑な形をしており,その分布域がすぐにわかります。
  ここの花崗岩地帯は,中生代白亜紀の火成活動によって形成されたもので,隆起した後,風化してできた地形です。また,谷間から流れ出た花崗岩の砂は広い丘陵地帯(扇状地)を作りました。こういった場所は人が住むのに適しており,京都で最も古くから開けたところの一つです。また,花崗岩の砂は白くて美しく,京都では白川砂と呼ばれて神社仏閣の庭に敷き詰められています。大文字山の登り口にある慈照寺(銀閣寺)は,白川砂の美しい庭で知られています。また,音羽川などの谷筋に沿って花崗岩の石切り場跡もいくつかあり,京都では京都御所などの建造物の石垣,石碑,庭園などに利用されてきました。
  ここの花崗岩の特徴は,副成分鉱物として「褐簾石」が含まれていることです。褐簾石は弱い放射能を持っており,1903年(明治30年)に,京都帝国大学の比企忠博士により日本で初めて発見されました。その記念すべき場所が,銀閣寺から大文字山を少し登ったところにある「太閤岩」と呼ばれる石切り場付近です。褐簾石の発見は,日本における放射性元素を含んだ鉱物研究の先駆けとなりました。
  現在では日本各地で褐簾石は発見され,巨晶も珍しくないのですが,大文字山産は結晶が完全で美しいことで知られます。当時は,まだキュリー夫妻によってラジウムが発見(1898年)されてから少し経った頃で,放射線の人体への影響などは全く分からず,むしろ良いものとの判断もあったようです。
  褐簾石は,学名をallaniteと呼び,鉱物学者T.Allanにちなんで命名されました。色は黒色か黒褐色ですが,風化すると緑,灰,黄褐色になります。花崗岩だけでなく片麻岩や結晶片岩に含まれることもあり,それほど珍しい鉱物ではありません。ペグマタイトでは,周辺部の黒雲母に伴って多量に産することもあります。緑簾石グループに属し,緑簾石の中のCaが稀土類元素と呼ばれているCe(セリウム)やY(イットリウム)などによって置換された鉱物です。
化学組成式は一般に □2(Al,Fe)3[Si2O7|SiO4|O|OH]と表されますが,□の中にはCa,Y,ランタン系列のLa,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,それに,アクチニウム系列のTh(トリウム),U(ウラン)が入ります。現在知られている褐簾石のほとんどは,□にCe(セリウム)を最も多く含んだもので「褐簾石-Ce」と呼ばれています。これ以外には,Y(イットリウム)を最も多く含んだ「褐簾石-Y」がありますが,他の元素の多いものは見つかっておらず,独立した鉱物種の扱いをうけているのはこの二つだけです。
  一般に,花崗岩には全体として弱い放射能がありますが,これは花崗岩に含まれているK,Th,Uなどの放射性元素によります。ThやUなどの量はごく少量で,ふつうは黒雲母などに含まれるか,黒雲母の中で微細な放射性鉱物を形成していると思われますが,分散していて元素の検出は困難です。大文字山の花崗岩のように副成分として褐簾石などが形成されると,そこへ上述の稀土類元素や,Th,Uなどの放射性元素が移動し濃縮され,こうした微量元素の検出が可能になります。
  結晶は単斜晶系でb軸の方向に伸びる傾向があります。ここの褐簾石の結晶は,多数の面からなり,また2個の結晶が対称的に接合した双晶もみられます。
  最初に発見されたという太閤岩は,今の登山道を途中から少し外れた旧道の途中にあります。銀閣寺門前を左(北)へ進み,八神社前を右(東)へ進むと,そのまま登山道になります。谷川沿いの緩やかな登り道をしばらく進むと砂防ダムが見えてきます。旧道はこの砂防ダムによって途切れ,替わりに橋を右へ渡って急な斜面を登る新道になっています。この橋を渡らず,砂防ダムを越えて,ほとんど流れのない川筋を登れば大きな花崗岩の壁に行き当たります。これが太閤岩です。
※新道の急斜面を登って平坦になった道を少し進み,左へ下っても太閤岩へ行けます。砂防ダムを越えるより足元が安全でお勧めですが,下る道は道しるべがなく少しわかりにくいようです。
  太閤岩は昔の石切り場跡です。ここの壁を叩くのは危険ですし,褐簾石も見つかりにくいようです。むしろ,ここから下50mほどの斜面に広がる花崗岩の転石を拾って調べてください。ハンマーやタガネなどで割りますが,ちょっと大きな木工用のハンマーでも代用できます。買うなら「大江理工社」などで相談してみましょう。また,安全対策として「軍手」と「ゴーグル」は必須です。
  褐簾石がよく入っている花崗岩は,割れ口が青白くてきれいです。そのような花崗岩から褐簾石を1個でも見つければ何個も入っているはずです。丁寧に割って探してみましょう。ここの褐簾石は,真黒で形のきれいな結晶に特徴があります。直径1mm長さ3〜5mm程度のものが多く見つかりますが,もっと小さなものは見逃しているようです。
  大文字山の東には,わずかに高い山頂である如意ケ岳が続き,そこを越えると山中に「比叡平」という住宅地帯が広がります。この南東端にある,「池谷地蔵」から皇子山カントリークラブへ続く道があり,その道沿いに大きくて浅い洞窟があります。道の右手の少し奥まったところにありますが,丁寧に探せば道から見えます。ここへは,車で行くこともできます。
  洞窟内の砂を少し採り,白い紙の上に広げて褐簾石を探します。1個でも見つければそのあたりの砂にはかなり入っているはずです。どんつきの中央の足元あたりの砂がお勧めですが,そこだけというわけではありません。また,ほとんど含まれていない場所もあります。
  持ち帰った砂をプラスチックのザル(一般にステンレスザルより少し荒目ですが,これでちょうどよい)に入れ,水をはった洗面器につけます。水の中で篩い,小石を取り除きます(褐簾石や小さい砂は網目から下に落ちます)。水底に砂のたまった洗面器に水道の水を流し,あふれた水とともに軽い成分を洗い流します。何度も砂を混ぜて濁りがほとんどなくなるまで洗うのはかなり時間がかかります(私で,ここまでで約1時間)。なお,洗面所などではパイプが詰まる可能性があり,屋外作業となります。結果,砂は半分程度に減ります。新聞紙の上に広げて乾かします。
  こうして得られた砂から1本ずつ精密な小さいピンセットで選び出します。大さじ1杯程度の砂を白い紙の上に広げ,端から丁寧に探しても1個程度しか見つかりません。とても根気が要りますが見つかれば嬉しいものです。ただ,少し風化した黄褐色のものが多いのが残念です。
  今回,事情があってたくさんの先生の協力で,約4000個も集めることができました。
※水を流しながら選鉱する方法は,一般に「わんがけ法」と呼ばれるもので,選鉱の基本である「比重選鉱」にあたります。西部劇で,底の狭いフライパンのような皿で,川から金を探している光景を見られたことがあるかもしれません。それと同じです。国内でほとんどの鉱山は閉山しましたが,この比重選鉱と浮遊選鉱を組み合わせた選鉱が発達しました。工夫を重ね,世界最高といえる技術で超低品位の鉱石から効率的に選鉱していたのです。そして,資源の渇欠する未来にとって貴重な技術が消えてしまいました。なお,工業的な比重選鉱は,ゴムを貼ったベットを少し斜めにして振動させます。その上に鉱石の砂を水とともに流し,比重によって流れ落ちる位置を変えるというものです。
※銀閣寺から大文字山を少し登ったところを流れる谷川で,わんがけ法を試せます。うまくいくと褐簾石や風化した黄鉄鉱である枡石などが採集できます。川は自然の水流の働きで比重選鉱され,少し重い褐簾石は水底の砂の下に沈みこんでいます。そこで,岩盤かコンクリートの底の砂を採って,わんがけします。岩盤に届かない砂からは,目ぼしいものはほとんど得られません。
※上記の説明で,なぜ洞窟内の砂から採取するのかおわかりと思います。比叡平の洞窟内は雨水の流入が少なく,褐簾石が砂の底に移動していないからです。もちろん,もともと褐簾石が多いということもあります。
  暗室内で褐簾石をフィルム上に置き,10日ほどしてから現像します。フィルムの像を印画紙に焼き付ければ,褐簾石の放射線で感光したことがわかるそうです。具体的には,褐簾石をセロハンテープに(例えば「大」の字型に)貼り付け,フィルムの上に置きます。
例:放射線計測器が「放射線計測協会」より無料で貸し出されています。詳しくは,ホームページを見てください。
  借用した放射線計測器「はかるくん」で自然放射線量(γ線)を調べると,自宅で0.078μS/hでした。次に,検出器部分に洞窟で採集した褐簾石を5個のせましたが,表示は0.077μS/hで違いが明瞭ではありません(5分間計測したピーク値)。増加した放射線量を公衆被爆線量と考えると,この程度なら放射線量による人体へ影響は限りなく小さなものです。しかし,リスクがないということではありません。
※公衆被爆の年間実行線量(全身)現行法令規制値は1mS/年(時間換算値で0.114μS/h),短期的には5mS/年(時間換算値で0.571μS/h)。
※集めた4000個の質量が約12gだったので,半分で2000個というふうにしておよその数を求めた。500個以下は数え直した。測定値は5分間のピ−クをとった。
※鉛容器などに入れて自然放射線のバックグラウンドを排除して測定したものが公衆被爆線量である。しかし,設備もなく,バックグラウンドと混ざった状態で測定し,自然放射線量との差を計算で求めた。
  "放射線医療"や"原子力"など,放射線には光と影があり,どう考えどう扱っていくかは次代を担う子ども達にとって欠くことのできない基礎教養です。しかし,一方的な情報のみで,結局は無知な状況に置かされています。原子力を取り上げたアメリカ合衆国の教科書では,長所と短所の意見が丁寧に併記され,将来の選択を子ども達に託しています。
  自然は様々な放射性物質があり,放射線が飛び交っています。"放射線はいくら僅かでも浴びない方がよい"と言われますが,目に見えないだけに実感することが困難です。それだけに,教育で積極的に取り上げることが必要だと思います。
  送り火で有名な大文字山に登るついでに,京都で最初に発見された有名な放射能鉱物「褐簾石」を採集し,放射性物質と放射線を考えるきっかけになればと期待します。

 

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